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複数店舗にまたがる商品管理手法とは
―オーダリングマスター(WEBシステム)による問題解決
● オーダリングマスターとは
オーダリングマスターは、ネットロック株式会社(東京都港区)が開発したWEB受発注システムである。荷主様の現場に合わせて柔軟にカスタマイズ、改善してきたことで、外食・店舗販売・通信販売・イベント販売管理等、幅広い業態に適応できるシステムとなっている。主な機能は、受注画面に加えて①横軸に商品の出荷状況に合わせたステータス管理、②縦軸に検索機能を持つシンプルな構成になっている。ログインIDにて、オーダリングマスターを利用する階層群ごとに異なった項目が表示される。ログインIDにて振分けられる主な階層群は次の5つである
各階層の担当者が、自分の担当業務のみを同時に閲覧することができ、各担当が自分の業務処理を進めていけば、処理内容ごとにスタータスが進行していくと共に、商品の動きをWEB上にて確認することができる。画面はシンプルだが、複数の担当者ごとにそれぞれに必要な情報を表示することで、商品の動きをWEB上に可視化して管理することができるシステム構成となっている。
※図1:オーダリングマスター画面(商品の動きのステータス管理)
ネットロック株式会社は、荷主に対して物流改革を提案し、包括して物流業務を受託・遂行するサードパーティ・ロジスティクス(3PL)を展開している企業である。ネットロック株式会社が提案する物流改革においてシステム開発の位置づけを重要視しており、その中で、荷主ごとの物流現場に合わせたシステムとしてオーダリングマスターが開発・カスタマイズされ進化してきた。
● オーダリングマスターに求められる機能
オーダリングマスターは、商品の動きをステータスで可視化するという機能を基本としているが、求められる機能は業界ごと、そして荷主ごとに違う。ネットロック株式会社は、現場ごとに求められる機能を調査し、カスタマイズすることで荷主向けのオーダーメイドシステムを提供している。例えば、外食業界では、365日稼働Day0納品(受注当日での店舗納品)が求められる。AM3~5時に受注した商品内容を当日17時までに店舗納品する運用だ。当然、あらかじめ在庫保管している物流センターからの店舗納品が必要だが、多品種小ロットとなる酒類関係や賞味期限の短い日配品は、地元の酒屋や全国出荷メーカ等から直接納品する必要がある。物流センターから出荷する運用は、物流センターに一般的に使用されているWMS(倉庫管理システム)と店舗POSシステムを連動することで難しい対応ではない。しかし、全国出荷元からの直送は、当日の受注内容が出荷されたか、そして、欠品や追加受付への対応状況を管理する必要がある。外食業界向けのオーダリングマスターにおけるデータフローは図2にて紹介する。特長は、多数にのぼる出荷元を取りまとめる問屋と実際に商品を配送する実配送業者の業務内容を考慮していることである。
※図2:外食向けオーダリングマスターにおけるデータフロー
次に、日用品や化粧品の店舗販売の場合を紹介する。外食と比較して、納品する商品が賞味期限の長い傾向にある為、発注からお届けまでのリードタイムを数日長く想定した運用が可能となる。従い、基本的に物流倉庫からの全国店舗へ納品する運用となり、日用品向けのシステム構成としては、主に次に機能が求められる。
最後に、通信販売における受発注システム求められる機能を紹介する。昨今、ネット通信販売の需要の高まりを受け、店舗販売専業で物流倉庫を活用している荷主がサービス拡充を兼ねて、インターネットという仮想空間へ店舗を出店するケースが増えている。インターネットという仮想空間にも店舗を出店するというものだ。ネット通信販売には、自社ドメイン・ショッピングカートで進出する自社ショッピングサイトでの展開と、Yahooショピングサイト・楽天市場などのショッピングモールへ参加する2通りの出店方法がある。オーダリングマスターでは、店舗向けの在庫とネット通信販売用の在庫を分けて管理することで、店舗販売・ネット通信販売における受注データを一括にて管理する仕組みを可能にしている。機能としては、ショッピングサイトにおける受注データを簡易にオーダリングマスターへ取り込むことができ、在庫の付け合わせ・欠品対応を経て出荷する。その後、運送会社の配送番号を購入客へ出荷通知メールを送信する仕組みを用意している。
業界を問わず荷主の求める機能は多種多様になる。機能の違いは荷主の競合他社との差別化要因となり、それはサービスの付加価値になるからだ。オーダリングマスターは、システム導入の初期段階では運用をシステムに合わせる段階があるが、運用とシステムがフィットした後は、荷主の差別化・付加価値を強化すること、そして、人件費や物流費やの低減を目的としたカスタマイズすることでユーザーから高い評価を受けている。
● オーダリングマスター機能詳細
オーダリングマスターにおける詳細機能を紹介する。
● 店舗システムの進化
店舗運営をしている企業は、主に次の4つのシステムを活用している。
店舗システムの進化を考えると、これらの①~④のシステムに対して様々な機能をプラスし、1つのパッケージとなっていくと思われる。ただ、当社(ネットロック株式会社)では、荷主の競合他社との差別化要因=サービスの付加価値は、一つの大きなシステムになってしまうと、顧客の要望の変化に対応するスピードある改善が難しくなると考えている。①~④において、個別に荷主の差別化要因を反映しやすい仕組みであることが、あるべき姿と考えている。それぞれが独立していることで、柔軟な細かい対応が可能になるからだ。
受発注管理システムは、他競合他社・他業態を含めた配送の共同化を視野に入れたシステムの進化が将来的に進む。通信販売需要の増加に伴う配送需要の増加、ドライバーの減少により物流費の高騰が予想されるからだ。他競合他社・他業態が協力することで、配送における積載効率をあげることできる。その為には配送ルール、及び、情報の統合化が必要になる。受発注管理システムは、情報の起点(消費者の購入判断に近い)にある為、配送ルール・情報の統合化が進めやすい。
IoT技術により、大量なデータから自動化や業務効率化を進める取り組みが活発である。受発注管理システムにより、他競合他社・他業態における受発注データの共同化を進めることで、配送の共同化(積載率の向上)を図るだけでなく、配送リードタイムの短縮・インターネット上での細かい配送進捗状況の共有などのサービス向上を同時に実現することができる。ネットロック株式会社は、他競合他社・他業態を、システム(受発注システム等)を通して、サード・パーティロジスティクスという第3者的立場から、配送の共同化・物流改革に取り組んでいる。
オーダリングマスターは、ネットロック株式会社(東京都港区)が開発したWEB受発注システムである。荷主様の現場に合わせて柔軟にカスタマイズ、改善してきたことで、外食・店舗販売・通信販売・イベント販売管理等、幅広い業態に適応できるシステムとなっている。主な機能は、受注画面に加えて①横軸に商品の出荷状況に合わせたステータス管理、②縦軸に検索機能を持つシンプルな構成になっている。ログインIDにて、オーダリングマスターを利用する階層群ごとに異なった項目が表示される。ログインIDにて振分けられる主な階層群は次の5つである
- 各店舗
- 各店舗を管理する本部
- 商品を供給する仕入業者
- 入出荷業務を担う物流・保管業者
- 実際に配送を担当する配送業者
各階層の担当者が、自分の担当業務のみを同時に閲覧することができ、各担当が自分の業務処理を進めていけば、処理内容ごとにスタータスが進行していくと共に、商品の動きをWEB上にて確認することができる。画面はシンプルだが、複数の担当者ごとにそれぞれに必要な情報を表示することで、商品の動きをWEB上に可視化して管理することができるシステム構成となっている。
※図1:オーダリングマスター画面(商品の動きのステータス管理)
ネットロック株式会社は、荷主に対して物流改革を提案し、包括して物流業務を受託・遂行するサードパーティ・ロジスティクス(3PL)を展開している企業である。ネットロック株式会社が提案する物流改革においてシステム開発の位置づけを重要視しており、その中で、荷主ごとの物流現場に合わせたシステムとしてオーダリングマスターが開発・カスタマイズされ進化してきた。
● オーダリングマスターに求められる機能
オーダリングマスターは、商品の動きをステータスで可視化するという機能を基本としているが、求められる機能は業界ごと、そして荷主ごとに違う。ネットロック株式会社は、現場ごとに求められる機能を調査し、カスタマイズすることで荷主向けのオーダーメイドシステムを提供している。例えば、外食業界では、365日稼働Day0納品(受注当日での店舗納品)が求められる。AM3~5時に受注した商品内容を当日17時までに店舗納品する運用だ。当然、あらかじめ在庫保管している物流センターからの店舗納品が必要だが、多品種小ロットとなる酒類関係や賞味期限の短い日配品は、地元の酒屋や全国出荷メーカ等から直接納品する必要がある。物流センターから出荷する運用は、物流センターに一般的に使用されているWMS(倉庫管理システム)と店舗POSシステムを連動することで難しい対応ではない。しかし、全国出荷元からの直送は、当日の受注内容が出荷されたか、そして、欠品や追加受付への対応状況を管理する必要がある。外食業界向けのオーダリングマスターにおけるデータフローは図2にて紹介する。特長は、多数にのぼる出荷元を取りまとめる問屋と実際に商品を配送する実配送業者の業務内容を考慮していることである。
※図2:外食向けオーダリングマスターにおけるデータフロー
次に、日用品や化粧品の店舗販売の場合を紹介する。外食と比較して、納品する商品が賞味期限の長い傾向にある為、発注からお届けまでのリードタイムを数日長く想定した運用が可能となる。従い、基本的に物流倉庫からの全国店舗へ納品する運用となり、日用品向けのシステム構成としては、主に次に機能が求められる。
- 各店舗が補給商品を発注する正確なリアルタイム在庫数を把握できること。
- 店舗からの発注内容を、倉庫作業者がピッキングリスト(ピッキング場所の表示を考慮)や配送伝票作成データを出力できること。(WMS等の倉庫管理システムとのデータ連携を含む)
- 各店舗・本部において、倉庫の出荷状況をステータス管理にて閲覧できること。
最後に、通信販売における受発注システム求められる機能を紹介する。昨今、ネット通信販売の需要の高まりを受け、店舗販売専業で物流倉庫を活用している荷主がサービス拡充を兼ねて、インターネットという仮想空間へ店舗を出店するケースが増えている。インターネットという仮想空間にも店舗を出店するというものだ。ネット通信販売には、自社ドメイン・ショッピングカートで進出する自社ショッピングサイトでの展開と、Yahooショピングサイト・楽天市場などのショッピングモールへ参加する2通りの出店方法がある。オーダリングマスターでは、店舗向けの在庫とネット通信販売用の在庫を分けて管理することで、店舗販売・ネット通信販売における受注データを一括にて管理する仕組みを可能にしている。機能としては、ショッピングサイトにおける受注データを簡易にオーダリングマスターへ取り込むことができ、在庫の付け合わせ・欠品対応を経て出荷する。その後、運送会社の配送番号を購入客へ出荷通知メールを送信する仕組みを用意している。
業界を問わず荷主の求める機能は多種多様になる。機能の違いは荷主の競合他社との差別化要因となり、それはサービスの付加価値になるからだ。オーダリングマスターは、システム導入の初期段階では運用をシステムに合わせる段階があるが、運用とシステムがフィットした後は、荷主の差別化・付加価値を強化すること、そして、人件費や物流費やの低減を目的としたカスタマイズすることでユーザーから高い評価を受けている。
● オーダリングマスター機能詳細
オーダリングマスターにおける詳細機能を紹介する。
- 発注機能:POS連動・インターネット発注に対応
オーダリングマスターにはPOSシステム機能がない。荷主が選んだPOSシステムと連動させること、もしくはインターネット経由にてオーダリングマスターの受注画面から店舗へ納品したい商品内容を発注いただく仕様となっている。店舗ごとにログイン用IDが配布される為、各店舗は発注した内容や納品状況をリアルタイムに確認することができる。 - 本部機能:仕入れ・請求管理
各店舗を管理している本部は、本部専用のログインIDにて各店舗の発注状況、及び、実配送会社の配送状況を確認することができる。月末にて各店舗・フランチャイザーの発注にて配達完了している内容をCSVデータにてダウンロードし、請求・仕入を計上することができる。オーダリングマスターでは、同一商品において、店舗ごとに違う単価設定に対応しておりカスタマイズ対応を含め、荷主の要望に細やかに対応している。 - 配送業者機能:納品書PDF・配送用CSVデータ出力
オーダリングマスターには、物流機能として配送業者機能が用意されている。大きな特徴として、複数の配送業者を取りまとめる問屋業務を考慮している。問屋、問屋の配下にある実配送業者ごとにログインIDが配布され、問屋は問屋の配下にある実配送業者の受注・出荷状況を管理することができる。実配送会社は、受注した商品に対する納品書PDFや配送用のCSVデータを出力することができる。 - 自動FAX・メール機能:発注・発注修整状況に合わせた自動FAX・メールの配信
問屋・実配送業者によっては注文がない日が存在する為、注文がある日は自動FAXやメールが配信し出荷漏れがないよう注意を呼び掛ける機能がある。その他、本部にも、発注がなかった店舗情報を自動メールすることで、店舗の発注漏れを防ぐことを考慮している。
● 店舗システムの進化
店舗運営をしている企業は、主に次の4つのシステムを活用している。
- POSシステム:レジ機能(決済)があり、主に販売情報を管理
- 受発注管理システム:店舗からの受注内容、仕入れ業者への発注内容を管理
- 倉庫管理システム(WMS):倉庫における在庫・入出庫を管理
- 販売管理システム:店舗での売上、仕入れ企業からの仕入れ、及び倉庫費用等の経費費用を総合的に管理
店舗システムの進化を考えると、これらの①~④のシステムに対して様々な機能をプラスし、1つのパッケージとなっていくと思われる。ただ、当社(ネットロック株式会社)では、荷主の競合他社との差別化要因=サービスの付加価値は、一つの大きなシステムになってしまうと、顧客の要望の変化に対応するスピードある改善が難しくなると考えている。①~④において、個別に荷主の差別化要因を反映しやすい仕組みであることが、あるべき姿と考えている。それぞれが独立していることで、柔軟な細かい対応が可能になるからだ。
受発注管理システムは、他競合他社・他業態を含めた配送の共同化を視野に入れたシステムの進化が将来的に進む。通信販売需要の増加に伴う配送需要の増加、ドライバーの減少により物流費の高騰が予想されるからだ。他競合他社・他業態が協力することで、配送における積載効率をあげることできる。その為には配送ルール、及び、情報の統合化が必要になる。受発注管理システムは、情報の起点(消費者の購入判断に近い)にある為、配送ルール・情報の統合化が進めやすい。
IoT技術により、大量なデータから自動化や業務効率化を進める取り組みが活発である。受発注管理システムにより、他競合他社・他業態における受発注データの共同化を進めることで、配送の共同化(積載率の向上)を図るだけでなく、配送リードタイムの短縮・インターネット上での細かい配送進捗状況の共有などのサービス向上を同時に実現することができる。ネットロック株式会社は、他競合他社・他業態を、システム(受発注システム等)を通して、サード・パーティロジスティクスという第3者的立場から、配送の共同化・物流改革に取り組んでいる。
以上